床良しセミナー

床の遮音性能〜現場実測値により近い表示方法とは
床材(乾式二重床、直貼りフローリング)の遮音性能の表示方法に「推定L等級」というものがあります。カタログなどで「LL-45/LH-50」などと表示されているものです。 しかし公的試験機関では、この「推定L等級」による性能表示を試験成績書に添付することを廃止しています。それは、表示されている性能と実際の建物での実測値が異なり、誤解が生じているためです。(ちなみに実際の建物で測定された床衝撃音遮断性能は、Li,r,L-45/Li,Fmax,r,H(1)-50などと表示されます。)
「推定L等級」は、特定の条件下で測定された床材の性能を示すものであって、実際の建物で発生する音の大きさを示すものではありません。 例えば、集合住宅のリフォームなどで、LL-45の床材を施工したにもかかわらず、その性能値よりも衝撃音が大きい・・・といったトラブルもあるようです。
しかしながら、「推定L等級」は一般的にも浸透した性能表示方法であり、空間性能と同様の表示であることから判りやすく、現在でも商品選定にこれを目安にする例がまだあります。 実際の建物の床衝撃音遮断性能は床スラブの厚さや床材の性能、居室の大きさや形、天井の仕様など様々な要因によって変化します。そのため、床材の性能と空間性能には差が生じる可能性があります。
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万協フロアーでは、このような状況の中、実現場における遮音性能(=床衝撃音遮断性能)の確保にこだわり、性能表示の方法についても独自の研究開発を行っています。
躯体そのものの遮音性能を予測する「 インピーダンス法」を大学やゼネコン、スラブメーカーと共同研究をすすめる床衝撃音研究会にて開発。 この予測手法による推定値とともに、万協フロアーの施工現場における豊富な実測データ、また試験室、試験棟でのデータ、さらに公的試験機関でのデータをもとに、実際の現場における遮音性能を総合的にシミュレーション。この現場実測値により近い、性能値を参考に、部材や仕様を提案しています。また、得られた知見を積極的に学会等で発表し、より良い建物の建設に役立てていただきたいと考えています。

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